TA実践例

TA実践例 04

協働による授業の質向上を目指して :
ティーチングフェロー (TF)によるサポート

目次

  1. TF が授業に付加価値をつけられるのはなぜか?
  2. 私の TF 体験 TF はどのように教員をサポートできるか
  3. 学生の学習体験の観点から、そして教員、 TF にとってのメリット
  4. TF のサポートを活用したい教員への提言

学生によりよい 学習体験をさせるには?

教育の質
  • 学生にとって、学んだ情報を再度調べて自分で説明しようとするときが、最も習得すると言われている
  • 学生によって学び方は異なる
  • 学生の集中力は講義開始 10 分後に落ちてくる

指導方法を多様化させることが重要

例: 講義 → グループディスカッション → より大きなグループでのディスカッション、簡単な記述作業、など

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指導の質とアクティブラーニング
アクティブラーニングとは

学習過程において、学生が能動的に参加する学習方法。学生の関与の 仕方によって、様々なレベルの学習方法がある。
(Bonwell & Eison 1991)

授業をよりアクティブにし、指導の質を上げるには?

→ TF を活用すべき!

TFができる業務 QTA ができないこと)
  • 教材、レポート、課題の原案作成
  • 教員の監督・指導のもと、授業を実施
  • 成績評価の原案作成...

→研修中の教員 である TF は授業の質を向上させることができる。なぜなら...

  • 授業運営において教員をサポートできる
  • 専門性をもってサポートできる
Contemporary Issues of Japan: 授業の流れ
「今日の日本における課題」
  1. 小テスト(10-20 分)
  2. 講義(20-30 分)
  3. グループディスカッション(20-30 分)
  4. 授業のまとめ
TFとしての私の役割(授業中)
  1. 通常の講義後、グループディスカッションのファシリテーションを行う
  2. 自立して2講義を担当(アカデミック・ライティング)
  3. オフィス・アワー
1.グループディスカッションのファシリテーション
10グループ、合計40名以上の学生
  • 課題の修整をサポート
  • ディスカッションのテーマに対する、学生の発言や意見交換を促す
  • 学生からの質問に回答する
2.講義を行う
  • 授業と直接関係する内容ではなく、授業を行う上で補助となる指導 (学生の英語レポート作成支援など)
  • 授業の最終課題として小論文が予定されていた
  • 練習用小論文は、授業内でディスカッションを行ったテーマに関連したものを用いた
  • TF は教材を準備し、講義を行い、演習や課題の修整・添削を行う
  • TF の専門性や教員の必要性に応じて変わり得る
TF指導後の学生からのフィードバック
オフィスアワー
  • 主に学生が授業の内容について質問をするための時間として活用
  • 自分が出したコメントの解説
  • 小論文の進捗確認
TFが担当する役割をどのように決定したか?

事前打合せにおいて話し合った内容

  • 前年度、河本先生が授業中に直面した課題
  • 前年度からの改善点および河本先生が TF の私に期待する点
    • 学生が参加する場を増やし、学習体験を向上させること
    • 学生が授業中に積極的にディスカッションに参加できるよう促すこと
    • 学生のライティングスキルを上げること
  • 私だからこそ貢献できる点とは

TFによって授業は改善されたか?

教える立場から:成果と課題
成果
  • 教員と学生 との関係性が向上した(指導者が一人ではなく二人いた)
  • 比較的おとなしい学生が話すよう促すには、教員よりも TF の方がアプローチしやすい
  • 教員に対し、授業がどのように進行しているか、学生がどのように反応しているか、フィードバックできる
  • 学生に(一方向的な講義とは)異なる学びの機会を提供できる
課題
  • 学生は、必ずしも TF を教員同様に権威や知識がある者として見ていない
  • 知識の差 TF の専門分野によるもの)
  • 授業前に教員と TF 間で緊密にコミュニケーションを取り、準備するための時間が限られていた
  • 教員の期待することが TF に明確に伝わっていなかった可能性
自分自身にとって:成果と課題
成果
  • 将来教員として指導するためにも役立つ研修
  • パブリックスピーキングの場、学生と交流する場となる
  • 授業中の活動や学生の作業状況を把握・管理できる
  • タイムマネジメントやマルチタスクへの対応力を鍛えられる
課題
  • タイムマネジメントおよびマルチタスクへの対応力が必要
  • TF の研究分野と授業内容が異なる場合には難しい
TFのサポートを活用したい教員への提言
  • 教員と TF は、授業中の TF の役割について、(一緒に協議して)事前に明確にしておくべき
  • TF が授業をサポートする上で必要な情報を全て入手できているか、確認する(授業で指導する内容が、TF の専門分野ではない場合には特に注意)
  • 講義資料(配布資料など)を TF に前もって渡しておく
  • 授業の進行状況について、 E メールなどでフィードバックを受ける
  • TF は QTA ではない。 TF は、新しい視点を加え、実際に教えることによって、授業を充実させるもの
  • TF として指導することにモチベーションを見出している学生を選出するべき。学生にとってその質は非常に重要
  • 準備時間を十分に取る方法を検討すべき。 TF は研修段階であるものの、無給の仕事として扱われるべきではない

Thank you for your attention!

References

Bonwell, C. C., & Eison , J. A. (1991). Active Learning: Creating Excitement in the Classroom. ASHE ERIC Higher Education Report, Washington DC: School of Education and Human Development, George Washington University.